
『返校 Detention』をクリアしました。
1960年代の台湾にある学校を舞台に、謎解きや探索をしながら物語を追っていく2Dホラーアドベンチャーです。
主人公のレイの心情、家庭環境が徐々に明かされていくストーリーに引き込まれる名作ゲームでした。
良かった点
雰囲気でじわじわ怖がらせるホラー演出
トワイライトシンドロームに似た雰囲気を感じました。
大きな音などでびっくりさせる演出は少なめで、BGM・グラフィック・演出で不安を掻き立ててくるゲームです。
「先に進むのが怖い…でもストーリーの続きが気になる」という絶妙な怖さでした。
敵(幽霊)が出現しますが倒せないので、遭遇時の緊張感が強いです。
敵をやり過ごすには息をひそめる必要がありますが、息を止められる時間には限界があります。
敵が立ち去る頃にはこちらもギリギリなので、「早く行ってくれ……」とかなり緊張しました。

難しすぎず、世界観にも溶け込んだ謎解き
謎解きは導線がしっかりしていて、進めていくとヒントが手に入るので詰まることはなかったです。
少し頭をひねる程度のちょうどいい難易度でした。ホラーだけでも十分に緊張するので、謎解きまで難しかったら挫折していたかもしれません。個人的にはちょうどいい難易度でした。
敵への対処法は事前に知ることができ、やられてしまっても対処法を教えてくれて直前でやり直せるのでリトライは簡単です。
チャプターごとに雰囲気や、レイのどの部分に焦点を当てるかが変わり、演出も変わっていくので面白かったです。

台湾の歴史・文化と物語が絡み合った独特の世界観
台湾史に詳しいわけではありませんが、学校や資料、登場人物たちの置かれた状況から、当時の息苦しい社会の雰囲気を感じました。
当時の宗教観や価値観がストーリーに絡んできます。
道中で手に入るヒントや物語を補完する資料が、ゲーム内の時代背景や雰囲気に合った紙の質感や絵柄で表されていて、世界観が統一されていて良かったです。
謎解きにも台湾の信仰や文化が取り入れられていて当時の時代感が感じられて良かったです。
学校や家庭など身近な場所を舞台にしていますが、独特の不気味さがあって良かったです。

主人公の内面に迫っていく、悲しくて余白の残る物語
ストーリーは、主人公レイの内面や家庭環境に深く迫っていきます。
思春期の少女の心理、複雑な家庭環境、当時の教育背景が少しずつつながっていき、続きが気になって夢中で進めました。
エンディングは2種類あります。どちらも単純にすべてが解決して終わるタイプではなく、クリア後にも考えたくなる余韻が残りました。
すべてを説明せず、キャラクターの発言や資料から読み取る考察の余地を残したストーリーはとても良かったです。
スッキリ終わる物語ではなく、もやもやが最後まで残りますが、それも含めて強く印象に残る名作と感じました。

気になった点
ショッキングな描写はかなり強め
直接的な流血表現だけでなく、グロテスクに感じる描写も多いです。ジャンプスケアも少しあるため、ホラーやショッキングな表現が苦手な人は注意してください。
台湾の人名に慣れていないので、登場人物が覚えにくかった
台湾の人名に馴染みがなかったので、序盤は誰が誰なのか少し混乱しました。
登場人物はそこまで多くはないので、遊んでいるうちに覚えられました。
すべてが明確に説明される物語ではない
結末や人物の心情をすべて明確に説明してほしい人には、少し合わないかもしれません。
僕は資料や人物の発言から自分で考える余白も含めて楽しめました。
まとめ
短時間ながら、とても密度が濃いストーリーでした。
キャラクターの心情を説明しすぎず、余韻が残るように描いています。スッキリ終わる物語ではないですが、それも含めて心に残る名作だと感じました。
トワイライトシンドロームが好きな人はもちろん、じわじわ怖がらせるホラーと、悲しく余韻の残る物語が好きな人にはおすすめしたい作品です。